5月1日
6時にMたんが起きたので、海に連れ出す。この日は海に入らずに、砂浜で遊ばせる。朝食後にボートダイビング。潮の流れがよかったので、当初、予定していたリーフ沿いではなく、リーフ間にある根を横断するドリフトに切り替えた。最初の5分はかなりの流れに逆らって泳ぎ、その後は潮に流された。直径40センチはあろうかという大きなツバメウオが30枚ぐらい集団になっているのに出くわした。この集団も潮に乗っていたので、しばらくずっと一緒だった。とにかくカメの多いポイントでタイマイ、アオウミガメあわせて10頭以上はいただろう。なかなか楽しめたダイビングだった。
帰ってくると、女房とMたんは寝ていた。あとで聞くと僕がダイビングに出かけていった直後から寝ていたそうだ。昼食後、Kさんともう一人でハウスリーフへ。2人の経験を聞くと40本と50本だという。自然と僕がリーダー役になる。
ビヤドゥにはエントリー/エグジットができるパッセージは7箇所あり、ダイブセンター前がパッセージ6。通常、午前中の潮はパッセージ1と2の中間に当たって、4と5の中間の方に流れていき、午後はその逆だと言う。1に行きたいというリクエストがあり、ダイブセンターで潮の流れを聞くと、7→1という話だったので、7からエントリーする。20メートルあたりまで潜行するが、なんか様子が変だ。最初に出迎えてくれたキンギョハナダイたちが頭を向けて泳いでいるのは1の方向。そう、1の方向から流れがきているのだ。このハウスリーフをセルフで流すのは初めて。もしかしたら、途中で流れが変わるポイントがあるのかもしれないと思い、まずはとにかく1の方向に向かってみる。ヨスジやカスミアジの群れなどが次から次へと現れ、魚影が濃いのは良いのだが、どんどん流れはきつくなる。10分ほど進むととうとうほとんど前に進めなくなり、流れが変わる様子もなかったので、進行方向を変えることにした。やっぱり、潮に乗ると楽だ。あっという間に7を越し、結局、6も通り越して5でエグジットした。本来、7・6間はダイビング禁止なのだが、エグジット後、ガイドに正直に話したが、十分に深度をとっていたのと、潮目を間違えたためであろう。お咎めはなかった。
部屋に近くに戻ると、Mたんが「ととー」といいながら駆け寄ってきた。うちは僕を「とと」、女房を「かか」と呼ばせている。僕は「とうちゃん」「かあちゃん」にしたかったのだが、子供のことに関して僕が女房に勝てるわけはなく、当然のように「とと」「かか」と呼ばせている。ただし、Mたんにとって、同じ「あ段」の「かか」と「ばば」を使い分けるのは難しいらしく、ちゃんと言えるときもあるのだが、両方とも「たた」になってしまうことがしばしば。Mたんが「たた」というと女房とお袋が両方反応するので、Mたんにとっても都合が良いようだ。ちなみにうちのオヤジのことは「じっちゃん」と呼ぶ。それもなぜか鼻に抜けるようなフランス語風の発音……。
Mたんを抱き上げて部屋の方をみると、女房の近くに白人の女の子がいた。どうも、ドイツ人らしく、ずっとMたんと遊んでくれていたようだ。あとでわかったのだが、名前はミシェルで年齢は6歳。金髪でうちのMたんより細い腕・脚、そして、小さな頭。父親は救急病院を舞台としたドラマ「ER」に出てくるグリーン先生のような人。
ミシェルと分かれたあと、女房のマッサージの予約に行く。サッカー場の横に専用のマッサージルームがあり、そこで予約できるのであるが、今日と明日は予約でいっぱいだと言う。しかたなく明後日の10時に予約し、そのまま島内一周へ。海辺へ出る途中のやしの樹に大きなコウモリがとまっていた。フルーツバットのような顔つきだった。僕らが泊まっているコテージの列と真反対側出た。すごく風が強い。肩車していたMたんがグラグラしだす。そのうちに寝てしまった。島内一周は途中であきらめ、部屋へ向かう。部屋の前にハンモックがあるので、そこでMたんと横になる。こちらは風もさほど強くなく、そよいでいる程度なので気持ちが良い。ただし、そのせいで蚊がいっぱいいて、脚を5箇所もさされてしまった。そのうちエンジン音が近づいてきた。農薬を散布していたので、部屋に入って避難する。
夕食までには時間がある。ここは朝7時から朝食、昼食は12時30分から、夕食は19時からなのだが、子供というか赤ん坊連れにはちょっと不便な時間だ。昼食が12時から、夕食が18時からぐらいだとなんとか起こせておけるのだが・・・。
Mたんを寝せたままつれていこうと思ったのだが、おきてしまった。好物のノリでごまかしごまかししながら、夕食を終了する。